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Another Story~傷の兜~ Part.11

弩というモノは、暴力そのものだ。


非力で、それこそ人を傷つけられないようなか弱いモノであっても、その撃鉄を鳴らすだけで、人を殺す事を可能とする。
それを扱うには資格の取得等といった、かなり面倒な手順こそ要するものの、それでも特別に難しい技術も、工程なんてモノも必要ない。

決して重いワケでもない、子供の力でも動かせる、引き金を―――引くだけ。
それを完遂するまでにかかる時間は、五指を欠損しているという不幸でも無い限りは、凡そ1秒もかからない。


たったそれだけの行為で、人の指先程のサイズの、硬質な弾丸が高速で射出される。
その弾丸はある時は鉄であったり、硬質なカラの実により殺傷力が高くなるように劇物を仕込んだモノであったりと、様々だ。
しかし、凡そ400FPS―――時速にして438km/hで飛来するそれは、反応速度の限界がせいぜい0.1秒の人間では、到底反応出来るものではない。

故に、それだけの速度の、硬質な弾丸に被弾した際の衝撃は、相当なモノになるだろう。
岩を容易く削り、肉を粉砕せしめるそれが仮に、人の頭に命中したのであれば、潰れた柘榴の実へと変えるには十分だ。
仮に即死に至らぬよう、必死になって手足で庇おうとしても、その程度の肉(障害)は簡単に貫通して、正確に目標を破壊するだけの威力がある。


ただ、目的をより効率的に達成する為だけに設計された、機械仕掛けの暴力。
それに確固たる決意は必要なく、研ぎ澄まされた技術も要らず、それどころか覚悟さえ曖昧であろうとも、殺す。という行為を、引き金を引くという、簡略化された手順のみで成し得る、道具。

殺意も無ければ、敵意すらも感じられないそれは、気配だけで相手の出方が読める、ケンポーの達人であろうとも、反応するコトは困難を窮めるだろう。


ならばそれは、理不尽な暴力以外の何物でもない。












では、仮にその暴力の矛先を向けられた場合、対処する術は果たして、存在するだろうか?












背後へ振り向こうとする上半身、それとは逆の方向に、下半身を大きく捻りながら回転する。
ギシリ、と、可動域ギリギリまで捻じれた膝が悲鳴を上げるが、これを無視。
上半身の向きに逆らった、腰より下へ襲いかかる過大な負荷に歯嚙みしながら、愚直に背後へと猛進する―――


射出音は、聞こえなかった。
代わりに、カラリ、と、ツメタイ薬莢の落ちた音が、引き金を引いた事を、証明していた。
吐き出された弾道の切っ先は、ほんの数秒まで自身の背中があった、虚空目掛けて射出された事を、僅かな大気の乱れが告げていた。



射出する速度に対応出来ないのであれば、その引き金を引くタイミングを操作してしまえばいい。
相手にとっての禁句を、引き金を引かせるに値する“上等な挑発”を知っていれば、素人のタイミングを操作する程度は、子供でも出来る。
そして、来るとさえ分かっていれば、それがどれだけ速いモノであっても、対策は容易。


「―――!」


息を飲む、音がする。
おそらくは、避けられるとは思っていなかった、背後のモノが出したのだろう。
なんて、間抜け。


それが来るタイミングで、フライングしてしまえばいい。


振り返ったその先、6ヤードは離れている位置には、死神の姿があった。
死神を模した骸骨―――ボロボロの布切れを纏った、デスギアシリーズに身を包んだ、人影。

それで、正体を隠そうしたのだとしたら、笑えない。
その小柄過ぎる背丈が、そして、先程の挑発に引っ掛かった時点で、奴が誰なのかは、明白だった。


滑稽な死神を目掛けて、疾走。
6ヤード程度―――だが、俊足を持たない以上は、引き金を引くまでに距離を詰めるには、その距離は絶望的なまでに、遠い。


振り向く瞬間で使ってしまった以上はもう、挑発による誘導は使えない。
あれが有効なのは、撃つと決心する瞬間―――躊躇いが生じる、初手だけだ。

一度でも引き金を引けば、それ以降は、弾数が途絶えるまで惰性で引ける。
例え曖昧であろうとも、殺す。という意志と共に引いた撃鉄の音は、使用者の理性を破壊する。

だからこそ、雑念が、理性という枷が外れてしまえば、それは只、殺す為の工程を機械の様に繰り返す、絡繰りとなる。


微かに銃口の向きを修正する様を、揺れる視線で捉えた。
だが、見るべきものは指先ではなく、その視線。


「―――っ」


僅かに乱れる呼吸と視線を読み、身体を大きく、左へ投じる。
跳躍というにはあまりに滑稽で、転倒そのもののでしか無い、バランスを大きく崩し右手を腐敗した泥で汚す、無様な回避。
それでも、左足を狙った弾道は空を割き、延長上の泥沼へ吸い込まれる様に、着弾する。



幾ら人間の動体視力では反応しきれない速度であったとしても、その軌道はあくまで直線だ。
弩の性質により細部は異なるものの、軌道が銃口の延長より大きく逸れる事も無ければ、どこぞの犬っころがじゃれている危険極まりない蟲の様に、此方へ意志を持ち襲ってくる訳でもない。
ならば、

体勢を立て直す為に振るった、左腕のスリンガーに生きたまま填めた光蟲を背後へ叩きつけ、一瞬の昼を展開する。

狙う視線を捉えられれば、狙いもある程度は読める―――それでも、距離を潰すには弾を装填し直す、瞬間を狙うしかない。
だが、それまでの弾数の全てを避けきるには、相当な身体能力とスタミナが無ければ、少なくとも自身では不可能だ。

だからこそ、一瞬でも視界を奪う必要が、あった。
狙撃そのものを出来なくする、この距離を縮められるだけ無防備にさせる時間が。
そして、狙撃の為に視界を塞ぐという“選択肢を取れない相手”であれば―――此方へ狙いを定めようとすればする程、コレには対応出来ない。


「―――!」


背後からでも十分に伝わる、膨大な光量。
至近距離で直視すれば瞳孔を焼き、失明させる程の照度を誇る電光エネルギーだが、この距離では流石に、長い間視界を奪う事は望めない。
精々、5秒もあれば、視界が回復してしまうだろう。


距離を詰める。
ぬかるんだ腐敗した泥の臭いに兜の中で舌打ちをし、愚直な前進を繰り返す。
疾走とは程遠い、鈍足でしか無いそれでも、6ヤードの距離を詰めるには、5秒という時間は十分すぎる。


再び照準を合わせようと間抜けな外套が揺らす軽弩を、右腕に縛り付けた大盾で殴り払い、ガラ空きの鳩尾を左の拳で深く抉る。
ビクリ、と小さな外套が痙攣、腹をくの字に曲げるのを尻目に、離した軽弩を求めて空を掻く右腕を乱暴に掴み、そのまま交差させる様に引っ掛けた左足を支点に―――地へと徐に叩きつける。

バシャリ、と、泥でぬかるんだ外套が小さな悲鳴を上げながら、沈む。
そのまま無様な外套へと馬乗り、四肢の動きを固定し、喉元へ剝ぎ取り用のナイフを突き立てる。
僅かにでもどちらかが動けば、刃物が肉を裂く絶妙な位置で止めて。


「無様だな、クソガキ・・・というよりも勉強不足だ、お前。」

「殺す・・・殺してやる・・・!」

「そんなんで、俺を、殺せる訳がねーだろ―――が!」


下で暴れ振り解こうとする外套の鳩尾をナイフの柄で再び殴り、黙らせる。
顔を殴らずに腹を敢えて殴るのは、此方は何時でも殺せるという優位性を、分からせる為だ。


「で?俺ちゃんにこんな玩具を向けたのは、どんな勘違いからだクソガキ?・・・返答次第じゃあ、羽毛たっぷりな小鳥が肩に乗っかってくる位温厚な俺ちゃんの堪忍袋の緒がぷっつんするぞ?」

「・・・な、何で・・・殺した!」

殺した、と、目の前のガキは言った。
だが、今日此処に来てからは、先程射出した光蟲しか―――イヤ、アレでさえあの程度の光量しか出ていない以上、死んではいないだろう。
仮に死に際の電光エネルギーを直視していたのだとしたら、コイツの視力の回復はまだ遅れていた筈だ。


「とぼけるなよクソ兜!あの卵は、貴様が殺したんだろう?何でだ・・・何で罪のない卵に、あんな外道な真似が出来る!?」

「・・・卵、卵だあ?・・・そんなもんで、その程度で、人を・・・人を殺そうとした、だと?馬鹿も休み休みに言いやが―――れ!」


三度、クソガキの鳩尾にナイフの柄を叩き込む。
無様に嘔吐きながら、下で小さく痙攣し縮こまる頭を鷲掴みにし、骸骨を模した仮面を引き剝がし、睨み付ける。


「・・・いいか?耳かっぽじって、良く聞きやがれクソガキ!人間を殺すのと、バケモン殺すのとじゃあ、価値が違うんだよ。それに罪や悪なんて関係ねぇ!」


そう、人間を殺すのと、モンスターを殺すのとでは、意味が大きく変わる。
例え、それがどれだけ醜悪な罪を重ねていようと、それが悪さを重ねていない無垢な命だったとしても、命の重みは大きく異なるのだ。
ソイツをどんなに憎んでいた、としても。
ソレが自分にどんなに懐いている、友のような存在だとしても。

人間は、一人の人間を殺すと、自分を抑制する―――タガが外れてしまう。
人間としての価値感が、それまでに築いてきた全てが、壊れてしまう。
そういった点で見れば、人間とそれ以外の命の価値は、平等とはいえない。

そして、自制の出来ない、自分を殺す事が出来なくなったニンゲンは、人とは呼べなくなる。
殺すという行為が、単なる作業に成り下がる。殺人では無くて殺戮に変わったソレは、徒の怪物だ。
だから、


「だから、お前ごときに殺されてはやれねー。殺される理由もありゃしねー・・・アレは、俺の仕業じゃねーからなあ。」


馬乗りの下にある小童の顔に、猿の様な皺が入り涙が零れた。
ぐしゃぐしゃの顔を手に付いた泥で更に汚しながら、嗚咽を堪えずに泣きじゃくった。
それに手を貸すつもりはない、ただ面倒くさそうに兜の男は立ち上がり、それを見下す。

腹を叩き過ぎたせいなのか、それとも単に悔しさを堪え切れなかったのかは、その男には分からない。
青白い、吐く息が白くなる程の寒空の下で、大袈裟に溜息を吐きながら、ぼやく。

・・・これだから、ガキは嫌いなんだ。





◇◆◇◆◇◆





空へと消えていく白い息をそのままに、先程焚いた小さな火に身を震わせながら、岩盤の割れ目から覗く寒空を眺める。
キャンプがある南の拠点では無く、此処―――小さな水路を潜った先にある大蟻塚の東の洞窟に寄ったのは、今の泥だらけの姿を水で洗うという、少々の入り用があった。

それにしても、冷たい水に飛び込んでずぶ濡れになった身体を温めるには、目の前の炎は少々が、心許ない。


「・・・よう、そろそろ泣き止んだか?ガキんちょ。」

「ガキガキってうるさいぞ、ダンナ・・・別に泣いてなんか、いない。」

「いや、思いっきりワンワン泣いてたじゃねーかよ・・・それともナニか?あれは涙じゃなくてココロの汗―――とかいうつもりか?馬鹿馬鹿しい・・・そもそも、そんなん見たらとてもじゃねーが、若様なんて敬えねーよふつー。それに他の呼び方なんて知らねーし、ガキにガキと言って、何が悪い?」

「だから、ガキっていうな・・・不愉快なんだよ、ソレ。」

そういえば、何だかんだ言いつつ、一月以上顔を合わせているくせ、互いの名前を知らない事に気が付いた。
もっとも、自分は本当の名前を教えたくないし、アイツも名前を名乗らずにいたおかげで他人として互いに認識できる距離感を、丁度良く思っていたのだが、こう―――呼び方を無くすと、不便にも思える。


「じゃあ、なんて呼べばいいんだよ・・・つーか、いつまでずぶ濡れでそんな所に突っ立ってる気だ?さっさと、脱いでそこの枯れ枝持ってこっちに来い、風邪引くだろ。」

ぺしぺし、と乾いた地を掌で叩きつつ、こっちへ来る様に促すが、


「―――っ」


それでも、ガキんちょに防具を脱ぐ気配はまるで無く、それでいて焚火に寄ろうとはすれども、此方まで来る様子も無い。
・・・本当に、面倒くせーな。


「いいから来いっつってんだよ、もう俺ちゃんは怒ってねーし?そりゃあ、正直殺されかけた事には今でも腹ぁ立ってるけどよ・・・お前をぶん殴って泥まみれにしてぎゃん泣きさせた挙句、風邪まで引かせたとゲキマブちゃんに知られたら、もう俺ちゃんは、怖くて怖くてしょうがねー。」

「・・・だって、着替えが無いのに、そっちに行ける訳が・・・」

「お前、一体どこの貴族だよ!?着替えが無くちゃ人前に出れません―――ってかあ?別にハダカの一つや二つ見られても、恥ずかしいもんでもねーだろ?」


男同士なんだから、別に恥ずかしいもんじゃない。
少なくとも、ある程度装備が乾くまでは―――流石に兜は外せないが、それ以外は自分も素っ裸だ。
それに、こっちは男の裸なんぞに興味も無ければ、ガキとナニを比べて勝ち誇る様な、下らない趣味も無い。


「・・・いいか?絶対にこっち向くんじゃないぞ、見たら、今度こそ殺すからな・・・。」

「ハイハイ、殺せるもんなら殺してみろよー。ボロボロになってぎゃん泣きすんのがどっちなのかは、確定的に明らかだけどなー?」


シュルシュルと、湿った布が落ちる音に交じり、ガチガチと、僅かに歯を噛み鳴らす音が、聞こえる。
相当渋ってはいたが、一応脱ぐ気にはなったようだ。
これで濡れたままこっちに来ようとしたら今度こそ、この場でひん剥かなくてはならなったので、その点は安堵する。

・・・これ以上の狼藉を働いたのを万が一、告げ口でもされたら、それこそ今はキャンプで夢の国へ旅立っているゲキマブちゃんに聞かれでもしたら―――考えるだけでも恐ろしい・・・。


ペタペタ、とコチラへ近づく音を感じ、そのまま相手を見ないまま、枯れ枝と装備を寄越す様に手を差し出し、


「ほら、見ないでやるから燃やすもんと、着てたもんを早く寄越せ。寒-んだよ、あくしろよ・・・。」

「―――っ。・・・ぜ、全部・・・か?」

「・・・たりめーだろ?そんな濡れたもんこっちに置かれたら、寒ーんだって。」


ぎゅっ、と濡れた布を握りしめる音がする。
何を躊躇う必要があるのか?まあ、思春期なお年頃ならハダカを見せる事にも多少の抵抗はあるだろうが・・・それこそ、心底どうでもいい。

受け取った枯れ枝を焚火に放りつつ、次に震える手から無理矢理ぶん取った装備へ、チラリと目を通して―――固まる。


綺麗に折り畳まれたソレは、白い―――長い布切れが。
・・・あれ?コレ・・・もしかして・・・


「お、おい・・・おま・・・コレ・・・何で、サラシなん―――」


受け取ったモノがどういうモノだったのか、理解が出来ずに出した声が、滑稽に震える。
そして、後ろの相手に尋ねようと振り向いた瞬間、


「―――っ!?」


思いっきり、裸足で兜を蹴り飛ばされ―――そのまま地面に頭を叩きつけた衝撃に、火花が散る。

微かに映った下半身には、本来、男としてあるべきモノが、無かった。
見えたのは、前から見える尻、のようなモノ。



そう、つい先程まで思いっきりボコって泥まみれにした挙句、ぎゃん泣きさせたガキんちょは―――女、だったのだ。





◇◆◇◆◇◆





極寒の雪山程では無いがそれでも、吐く息が白く凍る、夜の大蟻塚の荒地の、寒空の下。
後にモンスターが侵入出来ない洞窟だと判断され、東部のキャンプ地へ開拓される、未開の地。
僅かに覗く空には水分が限りなく少なく、他の地域であればまず肉眼では視認出来ないであろう星が散らばる、絶景の夜空を見る事が出来る、神秘的な地。
だが、


「誠に、申し訳ございませんでした・・・。」


焚火の傍で土下座をしている、兜だけを被った―――その下は全裸の傷だらけの偉丈夫が、その全てを台無しにしていた。
そしてその頭を下げた先には、特殊な薬液に浸した葉を全て落とし、その機能を失った隠れ蓑で辛うじて隠した部位以外は、健康的なハリのある肌を露出させ、そして羞恥のあまり、涙をぽろぽろと流す少女の姿が、そこにある。


「・・・だ、だから、嫌だったんだ・・・嫌だって、言ったのに・・・お前は、無理矢理・・・」

「・・・その節は、誠に申し訳ございませんでした・・・てっきり、俺ちゃ―――いや、某はてっきり・・・男だと、ばかり」


ぐすっ、と咽び泣く少女を前に、只ひたすらに頭を下げ続ける、兜の下はナニも隠していない、全裸の男。
それは、傍から見たモノが居たとすれば、唯の餌―――幼気な少女を穢した、筋肉モチモチマッチョマンの変態にしか、見えないだろう。


「・・・もう、お婿に・・・行けない・・・。」

「いや、それどっちかというとお嫁じゃねぇ?今更そのナリ晒して男で通すとか、幾らなんでも無理があんだろ!?」


思わず反論しようと頭を上げたが咽び泣く少女の肌を直視してしまい、再び額を地面に叩きつけ、もう何度目かも分からない土下座を敢行する。
チラリと装衣の隙間から覗く、成熟しきっていない女特有の膨らみはまだ少ないが、珠の様に光るハリのある肌。
・・・いや、ガキのハダカなんぞに興味は無いが―――それでも、角度的に不味い。

自身のしでかした罪を頭の中で反芻するも、あまりの大きさに整理が追いつかない。
このまま仮に拠点に戻った際の未来を予想し―――あまりの恐怖で、全身の毛穴から嫌な汗が噴き出すのを感じた。

つーか、コレ・・・帰って拠点の女勢にバレたら・・・確実にこ、殺される。
そんでもって人権を失っちまう―――って、コラそこ。そこの画面の向こうで酒と摘まみを食いながらクチャクチャしてるそこのアンタだよ!そもそも人権なんて無かった、とかいうんじゃねー。


「つーか、何で黙ってたんだよ・・・男物の防具なんて着てたら―――そら、気づかねーだろが!」

「・・・女だからって、舐められたら、困るんだよ・・・俺は、猟団の頭にならなくちゃいけないのに・・・それじゃあ、困るんだ・・・。」

「性別なんて関係ねーだろ?・・・今時。周りを良く見てみろよ?5期団の連中で、女が頭で動いている猟団なんて、それこそごまんとあんだろーが。」


余談だが、その猟団の中には、男をそれこそ下僕の様に侍らせ命令している女頭も居たが・・・あれはそういった趣向の集まりなのか?という位に、滑稽なモノもあったりする。
少なくとも、自分はそういったもんには、可能な限り―――可能な限り、近寄りたくは無いが。


「・・・それが、おかしいんだよ!・・・何なんだお前らは、外の人間は!?何で女が、男に好き勝手言えるんだ?何で男は、女にあれだけ言われて手を上げないんだ?どんな術を、使ったらそうなるんだよ?・・・一体全体、どうしたら、そんな風になれるんだよ!?」

おかしいだろ・・・俺達と、お前等で、何が違うんだ。
目の前の少女が、消え入りそうな声でぼやくが、それには答えない。
いや、答えるまでも、ない。

そもそも、そんな思考がある時点で、“そんな風になれる筈が無い”からだ。
全く以って、


「・・・下らねーな。さっきから聞いてりゃあ、男がなんだ女がどうだと、」

「それは、お前が男だから―――」

「それが下らねーっつってんだよ。そんなに他人の目が気になるんだったら、ずっと男だと、装ってればいいだろう?そもそも、そんなもん気にしてんのは頭ん中にカビが生えた馬鹿だけだがよ?・・・そんで、その馬鹿共の視線を死ぬまで気にして、ごっこ遊びでも何でもやってやがれ!」


ビクリ、と、少女の身体が震える。
その口がわなわなと震えているが、それ以外に発する音は無い。
だが、それに構う筋合いは、無い。


「それが嫌だってーんなら、馬鹿共の顔色伺うのが気に食わねーってんなら、テメーで示せよクソガキ。本当のテメーの実力でソイツ等を従わせれば、それで済む話だろ?難しくも何ともねーよそんなもん。―――その程度なんざ、ロクに考えてねー畜生でも出来らあ。」

「・・・俺がそうやって、皆は・・・付いてきて、くれるのか?」


微かに震える、怯える様な声。
それでも、先程とは違う絞り出した様な声で、少女は問うが、


「知るか、そんなもん。」


当然の様に、突っ撥ねる。
それこそ、自分の知った事ではない。
従うに値すると思わせれば、自分よりも上だと分からせられれば、相手は付いてくるだろうしその逆も然り、だ。
それでも、


「ソイツ等が付いてくるかどうかは、テメーの実力次第だろ。・・・それでも、やろうともしねーで無い物ねだりなんざ、それこそガキのする事だ。やらねーで後悔する位なら、砕けるつもりでやっちまえ!それによ、親の御威光に隠れて威張り散らすのがもうウンザリだってーんなら、そんなもんはさっさと捨てちまって、好き勝手にやれば良い―――それこそ、卵以外の事でもな。」

「・・・なっ!?」


少女の目がまるで、信じられないものを聞いたかの様に、見開かれる。
その考えすらも、思いつかなかったというのか?それとも、そういった道さえも、選ぶ事を許されない。とでも思っていたのだろうか?
・・・本当に、下らない。


「良いんだよ、曲がりなりにもソレをお前が受け継いだってんなら、ソレはもう全部テメーのもんだ。なら、好き勝手にやればいいんだ。正直、お前の親が一体どんな偉業をしでかしたかなんて知らねーし興味もねーがよ?それをお前が全部やらねーとイケナイなんて、引き継いで完成させねーとイケナイなんて道理もねー。当然だろ?」


コイツの親がどんな偉業を為したかなんて、細部は知らない。
唯、今では当たり前に、生活の中に根付いているモノの中に、それはあるのだという。
確かに、それは相当なモノなのかもしれないが。
それに引き摺られて、自分の生き方すらも決められなくなるのであれば、そんな下らないもんは、全部―――ぶっ壊してしまえばいい。


「だったら、要らないもんは全部捨てて、使えるもんは全部利用して、本当にテメーがやりたかったもんの踏み台にしちまえばいい。・・・お片付けなんて基本中の基本だろうが。」

「良いのか・・・そんな勝手な事をしても・・・」

「良いに決まってるだろ?お前は親のお人形なんかじゃねーし?仮にそうなる様に思っていた親も居ないんだから、それはテメーだけの人生だ。周りの下らねー戯言なんざ、相応のガキらしく笑い飛ばしちまえよ。」

「―――SHINE。」


唐突な暴言で、返される。
自分自身、それこそ暴言そのものだったが、そのストレートな侮蔑には腹が―――いや、待て。

・・・何でコイツは、侮蔑を言いつつ、モジモジとしてやがる?


「・・・だから、ガキじゃない。さっきから本当に不愉快なんだよ、その呼び方は・・・だから、特別に教えてやる。」


・・・。


・・・・・・。


「・・・いや、おま―――」

「・・・おかしいだろう?笑えよ、ダンナ―――これが、俺の・・・いや、私の諱だ。私の親が最後の最期に呪いとして、遺していった―――」


自虐交じりの独白。
最後の最期に自分は望まれてはいなかったのだと、目の前の子供が告げるが、


「・・・本当に、馬鹿だなお前。もう、救いようがねーよ。」


あまりの馬鹿さ加減に、腹が痙攣する。
思い違いで人を笑わせる才能がありすぎて、もう。


「・・・それ、多分、いや絶対に―――“読み方”間違ってるぞ?」

「ふぁあああっ!?」


吐く息も白く凍る、夜の大蟻塚の荒地の東部にある、とある洞窟の中。
静寂と星天を切り取って壁に貼り付けたかの様に、澄んだ寒空が覗ける絶景の地に、酷く羞恥に染まった、間抜けに甲高い声が反響していた。











・・・。


・・・・・・。


・・・自分より一回りも年が離れてる女の子をボッコボコにするとか、傷の兜さんまじサイテー(´・ω・`)
仮に、この事実が拠点の淑女の皆様方に知られたら、ほぼ間違いなく全ての女の敵として、総スカンを食らうでしょう。


えぃっ( *・ω・)っ✄ ╰U╯ちょっきん♥


多分、上みたいな状況になったら、サラさんは大いに喜ぶ。
だって、悪い虫に害が無くなって懸念事項が無くなりますからね。そら当然だわ。
傷の兜さんは別に、リトさんみたいなラッキースケベ体質なワケじゃないからね、仕方ないね(´・ω・`)


・・・しかし、裏で「いい感じになるはやでアイツ等襲ってください」と賄賂を渡したハズなのに、モンスターの襲撃が一向に来なかったんですがそれは・・・(´;ω;`)ウッ

前回のアレも相まって、当初のルートから微妙に分岐している感が否めません。
お前等ホント自由に動き過ぎだよ!?・゚・(/□\ )・゚・

本編の沼のほとりでgkbrしている学者さんの救出の遅延が偲ばれ―――いや多分、今頃は吞気に、普段は見る事も出来ない瑞々しい知識欲を発散させて、休むのも惜しんで\キャッキャ/している頃なのでしょう。きっと。

多分、この後一段落したら恐怖のgkbrタイムが待ってるから、それまで今の充実を満喫していてくだせぇ(´・ω・`)


しかし、前半の傷の兜さんを、ちょっとばかり強くし過ぎた感が否めません・・・。
素人が相手だったとはいえ、弾避けるとかもう―――グラップラーな世界観の人達もビックリですよ?
まあ、ブラックでダークな世界でお銭稼いでいたと書いてしまった手前、寧ろ世界観的にこの程度は出来て貰わないと、あまりに雑魚過ぎる―――という別の問題も発生してしまいますが(´・ω・`)

因みに、グラップラーな世界観に傷の兜さんを落とし込むとしたら、最初期の名解説者でお馴染みの本部さん―――位になるんじゃねーかなぁ・・・。
最近のアレには間違ってもならない、というか、意地でもさせない。
俺TUEEEEなんぞさせてたまるか。



ところで、傷の兜さん曰く、クソッタレな猟団の若様の性別が、遂に判明しましたね。
辛うじてそれっぽく見せようとした所は、ありましたが・・・上手く書けていたのかはわがんね。

ほら、男装女子のドジっ娘チョロインだぞ、喜べ。画面の向こうの紳士諸君(´・ω・`)


両親との死別後間もなく元服した際に、遺産の中に保管されていた自分の“諱”を見つけたようですが、本来の意味が自分の知っている言葉では無かったので、本当の“読み方”が分からないまま、今まで盛大に勘違いしていたうっかり若様(´・ω・`)

“諱”=忌み名なので勿論、おいそれと他人に口に出すモノではありません。
なので、他人に聞くワケにはいかず、辛うじて自分の知っている言葉で読んでしまったあまりに、盛大に自爆したという罠。
冷静に考えれば、呪うくらい憎まれていたら、まだ生きていられるハズがねー。

諱そのものが、人の在り方を縛る―――という意味を持った言霊なので、本当に信頼における人間(例えば主君であったり、家族であったり)以外には基本呼ばせません。
つまり、時代劇でいう「信長様~」とか言ってる家臣は、本来呼んではいけない方の名前で呼んでしまっているので、即首落とされても文句は言えない無礼を働いているコトになります(´・ω・`)
あれは背景を把握しきれてない視聴者にも可能な限り分かりやすくする為に、敢えて有名な名前を出している。というのもありますが。


序に言うと、閉じた環境で過ごしてきた手前、今時の考えを知らないので、その在り方はかなり古風という罠。
男尊女卑は当たり前で、しきたりを尊ぶ―――傷の兜さんに言わせれば、クソッタレな環境で過ごしてしてきたので、外部から来た5期団連中の在り方には、酷く混乱した模様。
因みに彼女の認識では、女は本来男の隣を歩くのではなく、三歩後ろに下がって付き従わなくては―――なので、そうすべき相手に投げやりにでも背中を押されたら・・・流石に、ねぇ?


なので、それを教えるというコトは、相当のモノなのでしょう。
多分好感度パラメータがあるとしたら、マイナスのアウトオブ眼中から、思いっきりプラス方向に爆上がりしてる(´・ω・`)
少なくとも、今の傷の兜さんの素顔見てもその場で吐かない程度には。

多分、諱の読み方まで教えたら、更に爆上がりすると思われる。
うん、多分―――レラ坊の次位に、好感度が高まるのではないか?と。
とはいえ、当のレラ坊にとっては過去の(故)人になってるし、認識的には家族(兄)みたいなもんなので、そもそも恋愛対象外ですが(´・ω・`)
・・・アレ?そういった点でいうと、アレ?現時点だと、最有力候補じゃねーか!?


・・・え?サラさんの好感度?
たまーに上がったと思ったら、その後の行動で全部ぶち壊してるから、“仕事上の”良い付き合いでいましょう?みたいな感じじゃねーですかね?(´・ω・`)


しかし悲しいかな。
まだ若様自身がぷりっぷりの10台半ばなので成長の見込みがあるとはいえ、傷の兜さんの年齢的には完全に犯罪となるので、所謂対象外。
現状だと、ほぼ確実に「十年はえーよ。」と突っ撥ねられるので、そういったコトにはならないと思われる。現状だと。
それでも、現状でも十分過ぎる位の弱みは握っているので、本人でもドン引きする位すげー簡単に尻に敷ける。ダンナさん、合掌。


・・・でもなあ。こうも好感度高くなりそうな女キャラが増えると、困るんだよなぁ・・・正直。
カッコむさいおっさんキャラとか、そろそろ大量に出したいよなー、俺もなー。
いっそ、最近モンハン稼業がお留守になってる週末の笛拭きさんとこのキャラを無断借用しようかしら?(止め―や


それにガンモさんにはもっとこう―――生まれてきてごめんなさいと言いながら、顔面を色んな汁でぐしゃぐしゃにしてもらいたい。個人的に(´・ω・`)


・・・そろそろ、腕の一本や二本落としてもいいかな、ガンモさん?多分生えてくるだろうし、別にいいよね?(ファッ!?


それでは、今回はこの辺で。
ご視聴ありがとうございました!



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