黒の航路~狩猟報告四組目

数ある武器種において、使いこなす事が最も難しい武器は軽穹となる。


不慮の事故ないし先天性な要因により近接武器等の重量がある武器を担ぐ事が出来なくなった、非力な者でも手軽に扱える反面、要求される技術量はかなり多く、生半可な知識では本来の火力を発揮する事も適わない。

元々、軽穹は設計段階で既に性能が決まっているのだ。
近接武器のように腕力に物を言わせれば性能以上の破壊力を出せる訳でもなく、当然弓のように射出速度を引き延ばす事も適わない。
それに不満を持ち下手に改造したが為に射出時に暴発し、そのまま死を迎えた者もまた少なからず存在した。


軽穹を扱う上で求められる物は、大きく分けて二つ。

一つは、知識。
火器の性能、弾の性質を把握しておく事は勿論の事、狩猟対象に関する適切な知識、時には狩猟環境の天候や風向といった近接武器では必要とはならない物までも正確に理解が無くては、生き残る事すらも難しい。

二つ目は、技術。
弾の性質を最大限に活かす技量こそが、軽穹を扱う上で無くてはならない物となる。
腕力ではなく、要求されるのは豊富な知識、そしてそれを使いこなす瞬発的な判断能力。
聞きかじっただけの、弾性質を頼りに無暗に繰り出せば難なく狩猟を成功させられるのは、あくまでパーティでの話だ。
不測の事態に陥り単独での行動を余儀なくされる時、そういった者達の生存率は限りなくゼロに等しくなる。


地形を活かし、天候を活かし、その上で対象すらも利用し尽してようやく本来以上の性能を発揮される高度な精密機械。
扱うだけならば子供でも出来るとすら称される軽穹だが、実際に「使いこなせる」者はほんの一握りである。


そういう点で言えば、彼女は極めて優秀なガンナーといえた。


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彼女は生まれつき身体が弱く、成人となった今でも体格は他と比べると幾分と華奢だ。
近接武器を扱うには不向きな筋力量、傍から見れば少女が狩人であると分かる者はそうはいないかもしれない。


ただその中で光る鋭い眼光が、少女を「狩る側」なのだという事を認識させた。
幼ささえ伺わせる、まるで人形のように可憐な容姿からは想像もできない―――猛禽のようなツメタイ瞳。

対象を見ているようでいて、それではなく更に奥底を見透かす視線で、少女は標的に狙いを定める。


其処には、闇―――が居た。


昏い夜の思わせる漆黒の外殻、薄いながらも強靭さを併せ持つ翼から零れるのは有毒性を孕む鱗粉という名の毒―――極度の興奮状態に入ると瞬く間に毒を展開し、一帯に「夜」を作り出す―――死神と呼ばれる存在。


死神が鎌を展開、外套に隠された鉤爪を天高く掲げ、そのまま少女を肉塊にすべく振り落とし―――


タン、という軽い射撃音。


―――たが、それが少女に届く事はなかった。

死神が苦しみに悶えるように呻き、体勢を大きく崩し巨体が前へと揺らぐ。
そして、軌道が逸れた鎌が地へと叩きつけられる直前に再び響く、軽い射撃音。
ハリの実を加工して作られた通常弾が、死神の頭へと吸い込まれるように射出され―――


死神が地を鎌で抉り、土煙が舞う。
地が裂ける程の震動と共に、砂利が、瓦礫が、宙に広がった。

人の身体等跡形も無く叩き潰すその鎌は、マガラ種特有の翼脚であった。
飛ぶ為に翼を進化させた飛竜種、高速で泳ぐ為に発達した海竜種とも異なる独自の進化を遂げた、掴み、裂き、そして殴る事を可能とした、「腕」として機能する発達した翼。


地にその巨躯を沈めた死神が再び動き出す事は、遂になかった。
重心がかかった前肢の関節の隙間、そして僅かに開いた口内には、ハリの実を加工した通常弾が深々とめり込み、転倒による衝撃で弾は更に深くその肉を抉っていた。

この地でしか存在せず、そして生息数も限りなく少ないものの気性が荒く、遭遇したらまず命は無いとさえ畏れられる死神―――黒蝕竜ゴア・マガラ。
それを少女はたったの2発で地に沈め、そして命を奪い取ってみせた。


ふゅ~、流石ししょー♪笛ちゃんがやっても全然効かなかったのに、よくもあんな簡単に倒せるもんだね!
・・・やっぱりアレかな?コイツは頭を狙うだけじゃダメなのかな?目を狙っても全然効かないのよね―――まあ、狙っても当たらんのですけど・・・。



・・・アレは、闇雲に狙うだけじゃダメだよ。確かに頭は一部のモンスターを除いて共通の弱点となるのだけれど、ただ当てるだけじゃ甲殻に弾かれて大したダメージを与えられない。そんな事をして弾を無駄撃ちする位なられ・・・そうだね、まずは関節を殺して機動力を奪っていった方がより安全に狩猟する事が出来るのです。分かりましたか、笛ちゃん?
・・・ああ、それはそうとですね・・・。


先程までの立ち回りを見ていて抱いた疑問を、女に問いをぶつけた。


・・・やる気があるのか、キミは?超至近距離での通常弾射撃が運動エネルギーに大いに無駄が生じる事位、数学を少し齧った・・・子供でも分かる事だろう?こんな程度の事は微分方程式を少し応用すればそれこそ暗算でも簡単にできるだろうに・・・それに狙った角度も中々どうして、ふざけてるね、跳弾を狙ってるワケでもあるまいないし、そんなんじゃ着弾してもダメージになんてならないのだから当然だろうさ。・・・狂犬だか笛ちゃんだか何だか知らないけど、ガンナー・・・いやハンターからみてもこれは、落第レベルだよ?


可愛らしい容姿に似合う声でありながら、その内容は―――鉄のように冷たくそしてあまりに鋭い・・・。
途中までは苦笑いしていたその女も流石に堪えたのか、いつの間にかその瞳は薄っすら涙で濡れていた。


ふ、ふえぇ・・・こ、こわいよししょー!た、確かに笛ちゃんアホだけどさ?べんきょーとか大っきらいだけどさ!?ナニもそこまで棘を出さなくてもいいんじゃないのぉ!?だいたいそんなむつかしい計算?を暗算でぱぱっと解きながら軽穹使ってるのなんて、ししょーしか居ないじゃないのさ!?そんなんだから彼氏の一人も出来ないんd―――ピイィ!?ごめんなさいっ!!


先日の狩猟でボロボロになって戻ってきたこのちんちくりん―――実際には自分の方が背は低いのだが、目の前の少女を表現するにはこの言葉がピッタリだった。の身体が鈍らないようにする序で、ガンナーとしての手解きをするよう依頼されたのが、つい最近の事である。


もっとも、目の前の少女(ちんちくりん)の動きはそんなに悪くはなかった。


悪くはなかった―――のだが、それだけだ。
本能ないし直感的に動いている分、身体の動きに無駄がある。僅かな行動の仕草から攻撃の死角を読んでいる点はハンターとしては優秀であるが、その度に身体の何処かしらに負担を大きくかけている。


・・・このままでは、彼女の身体は近いうちに使い物にならなくなるだろう。

常に強敵を求めて単独でも対象を狩る事を喜びとしている、未だ少数しか存在しない「笛使い」の中でも特異な戦闘狂。
撤退という事を端から除外し、自ら殿を務める自称:サポーターに助けられた事は一度や二度ではなかった。

直感的に行動する性質上、作戦に従わない場合がある点には問題があるが、実際の所は彼女程失うには惜しい人材は・・・それこそ万一、同等の技量を持つ後継者を作る事は、正直かなり厳しいとは言わざるを得ない。

・・・それ以前に、自他共に認めざるを得ない・・・気難しい性分の私に、ここまで遠慮なしに言い合える友人を、私は失いたくはないだけ―――なのかもしれないが・・・。

まあ―――それはさておき、だ。


・・・ほほう、そこまでの大口を叩けるようになったのなら、もう「少し位」は無茶をしても問題ないね?うん、ないよな―――まずは、その凝り固まったガンナーに対する先入観と偏見に染まった歪んだ思考から再教育しようか・・・なあに、順調に出来れば明日の昼頃には終了するだろうさ、まずは弾道計算―――はメンドクサイから、その身体に直接各弾の適正距離を叩き込む事にしようか・・・!


ふ、ふえぇ!?怒ってる!?やっぱり怒っちゃってるよねししょー!?ご、ごめん!ごめんよお!?お願いだからべんきょーという名目でこっちに銃口を向けたりしないでぇ!?・・・いった!?まぢいった!?待ってマテマテ!?先読み射撃止めて!まぢ止めて!?Lv1通常弾でも痛いから!まぢで痛いからあ!?・・・セイセイセイ!今度赤猫さんとランチセッティングするから!まぢ
まじマジで!?・・・って、痛ったあ!?



何やら甘い誘惑が聞こえた気がしたが、この際無視だ。
まずはこの笛にしか興味を持たない戦闘狂に、ガンナーと共存出来る立ち位置とより負担のかからない体さばきを―――ほんの少しの鬱憤を込めて叩き込むとしよう。








・・・。


・・・・・・。


・・・えぇ~、件の告知イベントを開催してから早2ヶ月余りが経とうとしていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

笛厨はというと、前書きの構成に悩んだり、MHWに現を抜かしてたり、前書きの仮原稿に納得がいかなくて書き直したり、MHWでわちゃわちゃやったりしてました(´・ω・`)

うん、前書きは・・・最初だけはすらすらと書けてたのにね。
やっぱり文章力ないと書くのはむつかしいと感じた今日この頃です(´・ω・`)


あと、序でといってはなんですがMHWでサークルなんかを作ってみました。
FAFNIR(ファフニール)という名前です。


モンスターハンター:ワールド_20180311004934



ファフニールとは北欧神話に登場するドワーフの事でして、意味は「抱擁する者」
ネットで知り合った人は名前も顔も知らない場合が多いけど、節度を持ってみんなで楽しくやろうぜ♪となればいいなぁ、と。

ただ、MHWでは定型文を打つだけでもテキストチャットを展開するのに結構な時間がかかってしまい、定型を打つ余裕があまりないのが現状・・・。
なので、基本的には当サークルはVC(ボイスチャット)での対話が多めな感じになりますかね。
あと、自分を含めて知人に人見知りが激しい方がいるので、加入される方を選んだりするかもしれませんが・・・。

それでも気が向いたら、PS4で笛厨を探して「サークルに入ってやってもいいんだからねっ///」と一声かけて頂けたら幸いです。



まあ、そんな茶番はさておき―――
お待たせしました、ようやく4組目です(遅れてホントにすみません・・・)




四組目
・フミフミさん
・アーシェさん
・かんぺーさん



もはやいつものメンバーといっても差し支えないというか、もうこんだけやれば事前に打ち合わせしなくても何となくで合わせられるというか・・・それくらいには連携が取れるようになりましたね(´・ω・`)


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ボレアスに関しては難なくクリア!
というか、コイツで躓いてたらこの先がヤバいんですがね(´・ω・`)

しかし、次に控えるバルカンでは失敗に・・・
3体の中で随一の火力は流石にキツいモノがあったか・・・。


暗雲が立ち込める中、前人未到の祖龍との対峙に―――
怒り状態へ移行すると腹と頭以外は全て弾かれる仕様、今までの2体とは動きそのものも大きく変わる奴に対してどのように立ち回るかがカギとなる・・・。


結果は、果たして―――?



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ドン!


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遂に、ルーツを突破!
これまでの連戦にミラの動きに慣れてきた、というのが大きいのか?
全体的に被弾も少なく戦えた印象がありました。


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そこからはどういう経緯でこうなったのか・・・。


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見た目装備のお披露目会に・・・。


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しかしこのモス、ノリノリである(´・ω・`)


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最後は超特殊鎧裂を倒してイベント終了~


そんな感じで四組目を含めて、「黒の航路~三つの凶星」は終了になります。
フミフミさん、アーシェさん、かんぺーさんホントにどうもありがとうございました!


そして今回参加してくださった方々、部屋の門を叩いてくださった方々もホントにどうもありがとうございました!
みなさんのおかげで、今回の「黒の航路」を無事に終えるコトが出来ました。
私一人ではこの企画の成功は成し得なかったんだと思います。
みなさんの協力があったからこそ、無事に終わるコトができた。
それが、本当に嬉しいです。

さて、これからはMWXXに残る方、MHWへと移行する―――している方と分かれてしまうのだと思います。
しばしのお別れになるのか、それとも今まで通りに一緒にプレイできるのかは分かりません・・・。

それでも、お互いがモンハンを好きで居られる以上はまた何処かでお会いできるのでは?と思っています。
それではお互いの再会を祈りつつ―――

機会があればまた会おう(キリッ



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コメント

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No title

黒の航路1組み目参加させていただきましたヨシですmm
その際はありがとうございました^^
mhwサークルよろしければ参加したいです♪

あのモス、重ね着はガーグァフェイスだけなんだぜと私です

バルカンは強敵でしたね……。だって即死するんだもん仕方ないね!

お披露目回は途中から何故かパンツの話になってこのパンツはイイ、コレはなんか違うとか話してた記憶が。どうしてこうなった。どうしてこうなった!

Re: No title

> yoshiさん

コメントいただきありがとうございます!
その節は大変お世話になりました、おかげさまで楽しい時間を過ごさせていただきました。
サークルの件につきましては、PS4でフレンド申請をして頂ければそこから誘導できると思うので
機会があればまたよろしくお願いしますね!
(喫茶フルフルにも参加させてもらってるのでそちらの方でもお会いできるかとは思います。)

Re: タイトルなし

> カンペさん

コメントいただきありがとうございます!
そういえば、モス装備に重ね着は邪道と聞いた記憶がありますねぇ…。
他にもランポス一式やフルクシャ等、やっぱり真性な方は中身にも拘るんだなあ…と思いました。まる。
バルカンはほら…あの三体の中では火力枠ですから(震え声
ボレアスがノーマルフォルムなら、ルーツはディフェンスフォルム、そしてバルカンはアタッカーフォルムみたいなもんだと笛ちゃんは思ってるから…(震え声
即死は仕方ない…仕方ないんよ。

たしかにPANTS談義はやってましたねw
でもあの場にはたしか、ロニキや某寝落ちの人もいなかったのに…なんであんなにも盛り上がってたのか…?
他にはHENTERは一切いなかったハズなのに…。

よのなか フシギで いっぱい だ。