激闘~忍び寄る気配(後編)

ついに―――、ガムートの頭殻を破壊した!

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残りの体力は、推定6割。
時間は10分針、充分に時間には余裕がある。

しかし、体力の目安を潰した以上、私がヤツの残りの体力を知る術もなくなってしまった。


集中力が切れてきた。
モーションの隙に置いていく右ぶんが、左前脚に吸われるようになった。
攻撃を繰り出すタイミングがズレて、雪だるまになる位置取りのミスも増えてしまっている。

しかし、ガムートの重い攻撃に当たらない位置取りは、少しずつ掴めてきた

叩きつけが当たらないギリギリの距離、そして左牙の延長上となる、キャラにして5人分ほど離れた位置。

そこが、笛でガムートの頭を狙う前提の立ち回りをする場合、回避性能なしのわずか6フレームの無敵時間に頼らなくても攻撃を躱せる、立ち位置だ。



明らかに、離れすぎている

TA(タイムアタック)を前提とした場合、この立ち回りは―――完全な欠陥だ。
モンスター相手にここまで離れて、手数が増やせない位置での立ち回りなんて、TAではまず使えない。


だが、そんなものは知ったこっちゃない。

元より、TA前提の立ち回りなんてモノはやっていないし、そもそもできない
モンスターのモーション全てに、6フレームの無敵時間を合わせる魅せプレイなんて、私にはとてもじゃないけど、真似できない。
何より、怯み値や疲労値を計算に入れた、洗練された立ち回りなんて―――
アホなんでムリですw


だから、TAまがいの火力を優先するプレイスタイルは、当の昔に置いてきた。
代わりに、火力よりもスタンを優先した

威力の大きい1発のモーションよりも威力が低くても手数を優先して、スタン値を稼ぐコトだけを考えてきた。
そのおかげでより安定してスタンが取れる、連音攻撃の1段目を攻撃の要にする立ち回りを習得できた。

スタンさえ取れれば、後は仲間がありったけの火力を、叩き込んでくれた。
スタンさえ取れれば、攻撃を受けた仲間が回復する時間を、稼ぐコトができた。
仲間を信頼したから、私は安心して火力を仲間に任せられた。

だから、自分はソロプレイヤーとしてではなく、
PTプレイヤーとしての立ち回りに重きを置いている。



不完全ながらも立ち位置を確立してからは、目に見えて被弾が減った。
モーション終わりのわずかな隙に、正面から右ぶんを刻んでいたのを、背面から後方攻撃を当てるスタンスに変更した。
横の判定が狭い後方ならば、脚に吸われる頻度はグッと低くなった。

攻撃の範囲が広く終わり際にも雪ダルマになる判定があるブルドーザーも、雪の判定さえ消えてしまえば、頭に攻撃を一発叩き込めるだけの隙があった。
怒り状態に移行しても、左牙側から外に外れていれば、怖くはない!

そして、牙への攻撃が安定してきた20分針―――

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ガムートが、脚を引き摺った。
ついに、ヤツを追い込んだ―――!


エリアを移動後の疲労状態で、3度目のスタンが入る。

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後方&右ぶんでは、鼻と胴の隙間をすり抜けてしまい、頭には当たらなかった。
貴重なスタンを有効に使えなかった・・・
苦し紛れにスタンプ&右ぶんのコンボにシフトした。

牙には届かなかった隙の合間に、蓄積していた鼻の部位破壊も達成

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↑暫く放心していますw

そして、24分の激闘の末―――
ガムートの膝が崩れ落ちたッ!



―――長年重く圧し掛かっていた重圧が、スッと軽くなった気がした。

ついに、倒したんだ・・・。
笛で忍び寄る気配を・・・つい、に―――?


・・・。



あっ、ポポノタン取るの忘れてた(このアホォ!?

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今までに何度・・・このクエストを受注したかは分からない。
形だけのクリアは、何度も経験した。
でも、本当の意味での「討伐」も含んだクリアは、今までなかった。

忍び寄る気配―――ポポノタンを3個納品すればクリアできる、最下位のクエストだ。
ただし、他のクエとは違う点は大型モンスターが乱入する、ただそれだけだ。
別に、ここで乱入したモンスターを倒したところでレア素材が出るワケではないし、勿論勲章が貰えるワケでもない。
スルーしても、クエストの失敗にはならない・・・逃げたとしても何も問題なんてなかった。

初めて遭遇した大型モンスターを、その出てきたクエストで倒してみたい―――そう思って挑戦して、自分で勝手にトラウマを作った、それだけのコトだった。

全くもって、自分でもバカだと思う。
最下位のモンスターたかだが1頭倒せなかったところで、ダレカに別に責められるワケでもなかった・・・
あのクエは仕方ないんだ、と。
体力が高い設定なんだから、倒せないのが普通なんだ、と。



でもある日、そんな風に諦めていたのが許せなくなった・・・。

たかが最下位のクエストも完全に達成できないまま、オンラインでPTプレイをしていたある日、
友人から笛の使い方を教えてほしい、と言われるようになってしまっていた。

ホントに楽しそうに笛を使っているね
オマエほど上手い笛使い(カリピスト)には、他に会ったコトがないわ

野良で遊んでいても、知らない方から笛の使い方を聞かれるコトもあった。

キミみたいに上手に笛を使ってみたい


・・・嬉しくないワケがなかった
一緒に笛を使ってみたい、そう言ってくれるのが迷惑なハズがなかった

でも、最下位クエすら満足にクリアできない自分に、そんな称賛をされる資格はない、と常々思っていた。

だから、ずっとカリピスト(狩猟笛を愛する者)を名乗るコトなんて、出来なかった

どんなモンスターでも笛で倒せるようにはしてきたつもりだし、武器種の中では何よりも狩猟笛が好きだ。
でも、こんな自分が名乗ってしまったら、カリピストを侮辱してしまう、と思った。

カリピスト・・・いや、自分はただの笛厨だよ。
そう、返すコトしか、出来なかった。



・・・最初はほんの少しのわだかまりに過ぎなかったモノが、モンハンを続けているうちに、狩猟笛を使っているうちに、いつの間にかとてつもなく重いモノに変わっていた


でも、それも今―――消えた
あの見えないプレッシャーから解放された・・・。
長かった、ホントに苦しかった・・・(´;ω;`)

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・・・思えば、私はずっと、欲しかったのかもしれない。

笛使いとして、胸を張れるようになった時に
笛使いとして、最高の名誉のその称号を、言ってもらいたかったのかもしれない。



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・・・一つ、聞いてもいいかな?


もう自分は、カリピストを名乗っても、いいかな?


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